こちらはチェコのデザイナー Lída Kejmarová によって制作されたタロットデッキです。
この木版画っぽい素朴な絵柄を眺めていると、なんだかちょっとほっこりとした気分になりませんか?(正確には木版画ではなく、リノカット版画らしいです。)
Etsy などのマーケットプレイスで自作のタロットを販売しているデザイナーも多く、時折そうしたサイトを物色してみるのも楽しみの一つです。
タロットに関するあれやこれや
ピエモンテ系タロットは、イタリアにおいては現代もポピュラーな存在であるらしく、様々な企業が販促用のノベルティとして顧客に配布していたりします。
今回紹介するのはファッション系企業のノベルティとして配布されたもので、Giovanbattista Guala が1840年に制作したデッキの復刻版です。
悪魔のお腹に描かれた顔とか、いくつか特徴を挙げることはできますが、単頭スタイル時代のピエモンテ系タロットは、ほぼほぼマルセイユ系タロットと言っていい感じですね。
単頭スタイルのピエモンテ系タロットには、大アルカナにローマ数字が記載されている版とアラビア数字が記載されている版とがありますが、ローマ数字が記載されている版の方が古いです。
一方、双頭スタイルのピエモンテ系タロットは、1860年代になってから普及したとのことです。
ピエモンテ版と呼ばれるタロットデッキの一つです。
ピエモンテ版タロットは、後に双頭スタイルが主流となりますが、初期の頃は単頭スタイルでした。
タロットは元々北イタリアからフランスに普及したと考えられているわけですが、フランスから逆輸入された「ドダル版」をベースにピエモンテ版が誕生したという説もあるようです。どうなのでしょうか?どちらが頭でどちらが尾かという、ウロボロスみたいな話ですね。
個人的には、広い意味ではマルセイユ系タロットに属していると言えるとは思うのですが、別個の系として捉えています。確かに共通点は多いですが、無視できない差異もあるように思われるので。(おそらくは、ボローニャ系タロットとのハイブリッド的な存在なのでしょう。)