「Cego」と呼ばれるゲーム用タロットの一つです。「Cego」というゲームについてはほとんど知識がないのですが、カードとしては「Industrie und Glück」の変種であると考えてよいと思います。
先に紹介した「Adler-Cego」と同様に、大アルカナに記載されている数字はアラビア数字となっています。
このデッキは、Schmid というカードメーカーがミュンヘンで1960年~1965年に発行していたもので、Ludwig Richter の木版画がベースとなっているとのことです。
「Cego」と呼ばれるゲーム用タロットの一つです。「Cego」というゲームについてはほとんど知識がないのですが、カードとしては「Industrie und Glück」の変種であると考えてよいと思います。
先に紹介した「Adler-Cego」と同様に、大アルカナに記載されている数字はアラビア数字となっています。
このデッキは、Schmid というカードメーカーがミュンヘンで1960年~1965年に発行していたもので、Ludwig Richter の木版画がベースとなっているとのことです。
前回に続き、こちらも「Industrie und Glück」と呼ばれるゲーム用タロットの一つです。Obchodni Tiskárny というカードメーカーが、プラハで1961年~1968年に発行していました。
全体的に前回紹介した「Kaffeehaus Tarock」とよく似た絵柄ですが、カードによっては少し異なっています。カード2(II)では、絵柄はそっくりですが、「Industrie und Glück」という碑文が削られています。
カード21(XXI)には三日月が描かれていますが、これは旧ハプスブルク君主国諸地域の北部で発行された「Industrie und Glück」に多く見られる特徴であるようです。
Piatnik から「Kaffeehaus Tarock」の名で発行されているデッキも、「Industrie und Glück」と呼ばれるゲーム用タロットの一つです。
カードのサイズは概ね 7.4cm×12.8cmと少し大きめです。
大アルカナにはほのぼのとした農村風景が描かれていて、先に紹介した Joh. N. Hofmann によって作成されたデッキとは随分印象が異なりますが、「Industrie und Glück」と呼ばれるゲーム用タロットのほとんどはこちらのタイプです。カード2(II)に「Industrie und Glück」という碑文が描かれている点は共通しています。
追記:
上記のような農村風景が描かれるパターンは、1865年頃に確立されたようです。
オーストリア・ハンガリー地域で1860年頃に作成されたゲーム用タロットの復刻版です。タイトルの「Tarocchi Esotici」を直訳すると、「エキゾチックなタロット」。発行元は Peruzzo というイタリアのカードメーカーです。
オリジナル版の詳細は不明ですが、先に紹介した Joh. N. Hofmann によって作成された「Industrie und Glück」と絵柄が似ています。
ただし、大アルカナに記載されている数字はアラビア数字となっています。また、小アルカナの数札はどのスートも1~10の10枚が揃っています。おそらくは、復刻版を作成する際に、オーストリア・ハンガリー地域以外でも使用しやすいように整えられたのではないでしょうか。
追記
上記の復刻版とほぼ同じものが、フランスのカードメーカーである Grimaud から「Tarot Allemand a deux Têtes」の名で発行されています。Grimaud による復刻版は、大アルカナに記載されている数字がローマ数字の版とアラビア数字の版の2種類が存在するようです。
1815年にウィーンの Joh. N. Hofmann によって作成された「Industrie und Glück」と呼ばれるゲーム用タロットの復刻版です。大アルカナのカード2(II)に「Industrie und Glück」という碑文が描かれているため、そのような名で呼ばれています。発行元は Piatnik。
オーストリアやハンガリーなどの旧ハプスブルク君主国諸地域で使用されるゲーム用タロットは、大アルカナ22枚、小アルカナがコートカード16枚、数札16枚の計54枚というのが標準的な構成です。
小アルカナのスートはフランス式スートで、黒いスート(クラブ、スペード)の数札は[7、8、9、10]、赤いスート(ハート、ダイヤ)の数札は[4、3、2、1]という組み合わせになっています。赤いスートの数札では、数字が小さいほど強いというルールとなっています。
双頭スタイルなのですが、愚者以外の大アルカナの札では上下で描かれている内容が異なっています。もしかしたら、パラレルワールドなのでしょうか。(笑)
それにしても、面白い絵ですよね。神話とかをベースとしているのでしょうか。
追記
このデッキのオリジナル版は「Industrie und Glück」と呼ばれるタロットとしては最初期のもので、その後に普及したデッキとは絵柄がかなり異なっています。
オーストリアのカードメーカー Piatnik によって発行されている動物タロットの復刻版です。
オリジナル版についての情報は多くありませんが、1805年にニュルンベルクの Johann Matheus Backofen によって作成されたものだと考えられています。現存する初期のカードにロシアの税スタンプが押されているため、「ロシアの動物タロット」と名付けられたようです。
ドイツで誕生した動物タロット(ドイツ語:Tiertarock)は、ベルギーからロシアまで北ヨーロッパで普及して、タロットデッキのサブジャンルを形成しています。
追記
1780年にミュンヘンの Andreas Benedikt Göbl によって作成された動物タロットもかなり雰囲気が似ていて、このデッキのオリジナル版と混同されることもあるみたいです。
Peter Friedrich Ulrich によって1770年に作成されたタロットデッキの復刻版です。大アルカナは、ラ・フォンテーヌの寓話をテーマに作成されています。
フランスでコンヴェル版が作成されたのとほぼ同時期に、ドイツではこのようなゲーム用タロットが作成されていたんですね。
小アルカナはフランス式スートと呼ばれるクラブ、ハート、スペード、ダイヤをシンボルとする4つのスートで構成され、それぞれ1~10の数札と4枚のコートカード(ネイヴ、ナイト、女王、王)が揃っています。
コートカードに描かれている人物は、クラブはアフリカ、ハートはヨーロッパ、スペードはアメリカ、ダイヤはアジアをイメージしているようです。
意外かもしれませんが、タロットにフランス式スートを導入したのは、ドイツの動物タロットが最初だと考えられています。面白いですね。
追記
当ブログでは特に区別はしていませんが、ゲーム用タロットでは「アルカナ」という言葉はあまり使われないみたいです。大アルカナに相当するのが「切り札(トランプ)」となります。
追記2:
通常フランス式スートのゲーム用タロットでは、黒いスート(クラブ、スペード)の数札は数字が大きいほど強く、赤いスート(ハート、ダイヤ)の数札は数字が小さいほど強いというルールとなっています。