Tarocchi Bolognesi Armanino

Armanino というローマのカードメーカーによって1963年に発行されたボローニャ系タロットです。カードサイズは概ね 5cm x 10.5cmと小振りです。

ボローニャでは1725年に教会の意向により「Papessa:女教皇」と「Papa:教皇」の札をタロットデッキから除外することになり、「Imperatrice:女帝」と「Imperatore:皇帝」の札と併せて、描かれる人物がムーア人に置き換えられました。
更に、1760年頃から次第に双頭スタイルが主流となり、同時に大アルカナに記載される数字もローマ数字からアラビア数字へと変化しています。数字が振られているのは5~16のみで、数字と絵札の組み合わせもマルセイユ版タロットとは少し異なっています。


Bolognesi


Bolognesi


Bolognesi


Bolognesi

このようなボローニャのタロットデッキでは、最上位に位置するのは「Mondo:世界」ではなく、「Angelo:天使」(マルセイユ版タロットの「Giudizio:審判」に相当)です。
また、2~5が除外されている数札については、棒と剣のスートでは数字が大きいほど強く、杯と金貨のスートでは数字が小さいほど強いというルールとなっています。

Antichi Tarocchi Bolognesi

1780年にボローニャの Giacomo Zoni によって作成されたタロットデッキの復刻版です。発行元は Lo Scarabeo。

ここではボローニャ系タロットに分類しましたが、2~5の数札も揃っていて、ボローニャで作成されたマルセイユ系タロットと考えた方が妥当であるかもしれません。


Giacomo Zoni


Giacomo Zoni


Giacomo Zoni

フランスでコンヴェル版が作成されたのが1760年ですから、その少し後に作成されたことになりますが、こちらの方が古い印象を受けます。
色使いが地味なことも影響しているでしょうが、カード18(XVIII)の月の顔が正面を向いているなど、古いタイプのマルセイユ版タロットの特徴も見られます。

Tarocchi Fine dalla Torre

17世紀に作成されたボローニャのタロット「Tarocchi Fine Dalla Torre」の復刻版です。パリ国立図書館に保管されているオリジナル版を元に、ボローニャ近郊の Museo Internazionale dei Tarocchi によって作成されました。

オリジナル版のカードサイズは 4.3cm x 10.5cmと小振りですが、この復刻版では 7cm x 14.6cmとかなり大きくなっています。
また、現存しない6枚のカード(杯の女王、金貨の女王、剣の6~9)と本来はボローニャ系タロットには存在しない2~5の数札も加えられて、マルセイユ系タロットと同じ78枚となっています。


Fine dalla Torre


Fine dalla Torre


Fine dalla Torre


Fine dalla Torre


Fine dalla Torre


Fine dalla Torre


Fine dalla Torre

とても美しいタロットデッキですよね。この色合いがなんとも言えません。そう思いませんか?裏絵もなかなかお洒落です。もしかしたら、現在保有している中で一番好きなデッキかもしれません。

Tarocchino Mitelli Deck

Giuseppe Maria Mitelli によって1660年頃に作成されたタロットデッキの復刻版です。カードのサイズは概ね 5.9cm×12.2cmです。発行元は Lo Scarabeo。

「Tarocchino」というのはボローニャ系タロットのことです。「Tarocchini(tarocchino の複数形)」というゲームをするのに使用され、大アルカナ22枚、小アルカナがコートカード16枚、数札24枚の計62枚という構成となっています。数札の枚数が少ないのは、どのスートも2~5の札が取り除かれているためです。


Mitelli


Mitelli

Mitelli

Mitelli

このデッキでは、大アルカナに数字が記載されていません。その代わりというわけではないでしょうが、数札にスートのシンボルだけでなくローマ数字も小さく記載されています。

また、大アルカナの絵柄もかなり変わっています。例えば、一般的なデッキのカード9(VIIII)「隠者」に相当する札には松葉杖をついた「時の翁」が描かれ、カード12(XII)「吊された男」に相当する札には背後から撲殺されそうな「裏切り者」が描かれています。