Ancien Tarot de Marseille (2)

グリモー版は以前にも一度掲載しましたが、それよりも古い版を入手したので改めてご紹介します。


Grimaud 2


Grimaud 2

1930年に発行されてから現在まで人気のタロットデッキで、何度も版を重ねた結果、色合いが多少変化しています。特に違いが目立つのが青系で、現在よりも薄く、空色に近い感じです。もしかしたら年月を経て色褪せただけなのかもしれませんが、個人的には古い版の色合いの方が好みです。

追記:
並べてみた方が違いがはっきりしますね。左が今回紹介した古い版、右が以前に紹介した現行に近い版のカードです。


Grimaud 2

Les Tarots de Marseille Jean Dodal (major arcana only hand-stencilled)

Jean-Claude Flornoy によるジーン・ドダル(Jean Dodal)のタロットの復刻版です。ハンド・ステンシル(手塗り)で印刷された、とても味わい深い作品です。


Dodal


Dodal

オリジナル版は1701年頃にリヨンで制作されました。現在確認できるマルセイユ版タロットとしては、1650年頃にパリで制作されたジーン・ノブレ(Jean Noblet)の版に次ぐ古さとなります。

マルセイユ版タロット「タイプ I」の特徴を有していて、カード6(VI)の天使が目隠しをして、カード18(XVIII)の月の顔が正面を向いています。

Antichi Tarocchi Marsigliesi

1760年にニコラ・コンヴェル(Nicolas Conver)によって作成された木版タロットの復刻版です。発行元は Lo Scarabeo。
以前は、コンヴェル版がマルセイユで作成された最古のマルセイユ版タロットだと考えられていました。

現在確認できる範囲では、1736年に作成されたフランソワ・シャッソン(François Chosson)の版が最古であると考えられていて、コンヴェル版もこれをベースに作成されたのではないかと言われています。


Conver


Conver

この復刻版を見る限りでは、彩色がけっこう大雑把で、線画が塗りつぶされているといった感じですね。しかし、最近発行された別の復刻版では、かなり違っているみたいです。

追記:
コンヴェル版のカード7(VII)では「戦車」の前面に「V.T」のイニシャルが記載されています。これが何の略であるかはっきりとしていないのですが、「Veuve Toulon」というカードメーカーの略だという説が有力であるようです。

Ancien Tarot de Marseille

グリモー(Baptiste Paul Grimaud)が1930年に発売したこのタロットデッキが大きな成功を収めたことが、「マルセイユ版タロット」の名を世に広めました。

ポール・マルトー(Paul Marteau)がニコラ・コンヴェル(Nicolas Conver)の版をリメイクしたものだと言われていますが、ベースにしたのは「ブザンソン版」だったという説もあります。


Grimaud


Grimaud

伝統的なタロットの色使いを大きく変えてしまったと批判されることもありますが、今でもマルセイユ版タロットの代表的な存在であることは間違いありません。

ただ、個人的にも嫌いなデッキではないのですが、カード18(XVIII)「LA LUNE:月」だけはもう少しなんとかならなかったかと思ってしまいます。

追記:
使用する色数が減らされたのは、機械印刷が導入された当初の技術的な制約が原因であったようです。

i Tarocchi di Marsiglia

De Vecchi というイタリアの出版社から発行されたマルセイユ版タロットと解説書のセットです。カードのサイズは 8cm×16cmとかなり大きめです。


De Vecchi


De Vecchi


De Vecchi


De Vecchi

カード12(XII)の「吊された男」は、縛られているのは片足だけですが、「Tarocco Classic」やスイスで発行されたマルセイユ版タロットに描かれた両足を縛られた「吊された男」とよく似ています。
また、杯のエースに花が生けられているのは、ピエモンテ系タロットの影響だと思われます。

追記:
私は保有していませんが、Il Meneghello によって作成された「Classico Tarocco di Marsiglia」という復刻版タロットの絵柄と類似しているみたいです。

Tarocco di Marsiglia Svizerra (22 Major Arcana)

こちらは Il Meneghello によって作成された復刻版タロットの一つです。ベースとなっているのは、Jean Proche が1804年にスイスで発行したマルセイユ版タロットだということです。


Swiss


Swiss

先に紹介した「Tarocco Classic」と同様に、カード12(XII)で「吊された男」が両足を縛られ、横を向いた状態で描かれています。
「Tarocco Classic」は Claude Burdel の復刻版だと言われていますが、むしろこちらのタロットとの類似点の方が多いですね。

追記:
このタロットのカード7(VII)では「戦車」の前面に「JR」のイニシャルが記載されていて、元となる版の制作者は Jacques Rochias であると考えられています。
(Claude Burdel の版には「CB」のイニシャルが記載されています。また、「Tarocco Classic」ではイニシャルは記載されていません。)

追記2:
両足を縛られた「吊された男」のカードは、ケイトリン・ジョフロイ(Catelin Geofroy)のデッキからコピーされたのではないかと考えられているようです。1557年にリヨンで発行された、現存するフランス最古のタロットデッキです。ただし、マルセイユ版タロットとは異なる点が多いです。

Tarocco Classic

このタロットデッキは、Claude Burdel によって作成された木版タロット(1751年)の復刻版という設定になっていますが、実際にはオリジナルと異なる部分が少なくないようです。


Classic


Classic

全体的に絵がちょっと雑というか、素人っぽい感じがしますね。色使いもかなり独特です。

特に目を引くのが、カード12(XII)で「吊された男」が両足を縛られ、横を向いた状態で描かれている点です。
Claude Burdel のオリジナルも含め、通常は縛られているのは片足だけで、もう片方の足が四の字のように交わっています。また、顔も正面を向いています。

The Tarot de Marsella Robledo

近年になってマルセイユ版タロットの復刻版がいろいろと発行されていますが、このデッキもその一つ。アルゼンチンのデザイナー Marsella Robledo によって作成されました。


Robledo


Robledo

ミルクティ色の背景に、少しアースカラーっぽい感じの豊かな彩りが映えて、とても美しいです。

手刷りの時代の彩りの豊かさを回復するということが、近年発行された復刻版に共通するテーマの一つとなっているように思われます。

Tarot de Nostradamus

ノストラダムスの名を冠したこのタロットデッキは、「ペイヤン版」をベースにしていると言われており、マルセイユ版タロット「タイプ I」の特徴を有しています。
(先に紹介した「ピエール・マドニエ版」は「タイプ II 」に属しています。)


ノストラダムス


ノストラダムス

「タイプ I」の特徴として、カード6(VI)の天使が目隠しをして、カード18(XVIII)の月の顔が正面を向いています。それから、愚者にちょっかいを出してる動物が、猫っぽいですよね。

Pierre Madenié, Dijon 1709

日常的に使っているタロットデッキが、ピエール・マドニエ(Pierre Madenié)の復刻版です。このクラッシクな絵柄とちょっと掠れたようなカラーリングが気に入っています。


マドニエ


マドニエ


マドニエ

マルセイユ版タロットなので、カード8(VIII)が「LA JUSTICE:正義」、カード11(XI)が「LA FORCE:力」となっています。

なお、カードの角はコーナーカッターを用いて自分で丸めています。また、滑りをよくするためにファンニングパウダーも使用しています。