Mughal Ganjifa

「Ganjifa」と呼ばれるインドの伝統的なプレイングカードの一種です。

起源は不明ですが、今日知られている「Ganjifa」はペルシャで始まったと考えられ、16世紀のムガル皇帝の下でインドで人気を博しました。宮廷では宝石や象牙などの貴重な材料を用いた贅沢なカードデッキが作られたようです。
ゲームは後に一般の人々にも広まり、木材やヤシの葉、硬い布などの材料を用いてカードデッキが作られました。

「Ganjifa」には地域などによって様々なバリエーションがありますが、「Mughal Ganjifa」はペルシャで使用された元のパターンに最も近いタイプであると考えられています。ただし、カードを円形としたのはインドのオリジナルです。
「金貨」、「手形」、「商品(布)」、「ハープ」、「銀貨」、「クラウン」、「奴隷」、「剣」をシンボルとする8つのスートで構成され、それぞれ1~10の数札と2枚のコートカード(大臣、王)が揃っています。


Mughal Ganjifa


Mughal Ganjifa


Mughal Ganjifa


Mughal Ganjifa


Mughal Ganjifa

上記の画像では上段左から「金貨」、「手形」、「商品(布)」、「ハープ」、下段左から「銀貨」、「クラウン」、「奴隷」、「剣」の順に並べています。
上段の4スートは「Kambar suits」と呼ばれ、数札は数字が大きいほど強く、下段の4スートは「Bishbar suits」と呼ばれ、数札は数字が小さいほど強いというルールとなっています。

追記:
ペルシャから伝わったプレイングカードを円形にしたのはインドのオリジナルですが、円形のプレイングカードを世界で最初に作成したのがインドだという意味ではありません。
円形の Ganjifa が普及したのは19世紀以降のようですが、以前に紹介した「Karten Spiel des Meisters PW」のように、ヨーロッパにもそれより前から円形のプレイングカードは存在します。

追記2:
インドのガンジファ(Ganjifa)もヨーロッパのプレイングカードも共に、トルコのマムルークカード(Mamluk cards)を祖先とするのではないかと考えられているようです。
ムガル帝国の “Mughal” はモンゴル(Mongol)を意味しますが、彼らは11世紀にペルシャに侵入したトルコ人の子孫であり、およそ200年後にモンゴルによって同じ土地から追い出されました。

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