Tarocchi Piemontesi c.1904 Armanino Genova

ピエモンテ系タロットは、1860年代以降は双頭スタイルが主流となってきます。

タロットの持つ象徴的な面をいくぶん損なっても、上下を気にしないで済むという利便性の方が勝ったということなんでしょうか?
例えばカード21「Il Mondo:世界」を見ると、本来表示されるべき「四つの生き物」の内、天使と鷲しか表示されてないです。


Geniva


Geniva


Geniva

双頭スタイルのピエモンテ系タロットに共通する特徴として、次のような点が挙げられます。

・愚者のカードで、愚者が蝶を追いかけている。
・杯のエースで、杯に花が生けられている。

いずれもこれまでに紹介した単頭スタイルのピエモンテ系タロットには見られなかった特徴です。

ただし、私はまだ保有していませんが、単頭スタイルのピエモンテ系タロットの中には、上記の特徴を備えたデッキも一部存在します。
おそらくは、そうしたデッキが双頭スタイルのピエモンテ系タロットのベースとなったのでしょう。

追記:
双頭スタイルと呼ばれるデッキにおいても、数札については単頭スタイルのデッキと変わりません。
カードの上部を反転させて下部ににつなぎ合わせるという改修は、大アルカナと小アルカナの宮廷カードにのみ施されています。

追記2:
双頭スタイルのピエモンテ系タロットのベースとなったのは、Vergnano のタロット(1830年頃)であると推測されます。

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